2020/12/01 13:38

 

世界一硬いはずのダイヤが簡単に割れる?

そんなバカな、なんて思いますよね?

ダイヤは硬いため、どうやって研磨するか、何を使えば研磨できるのか。

TVでたまにクイズに出るのを見かけたことがあります。

 

それはダイヤで磨くしかありません。

ダイヤの粉末を使って研磨します。

その性質から、いろいろな工具にも使われています。

 

ジュエリーの工具にも、「ダイヤモンドポイント」という物があります。

非常に高額です。

 

私の若かりし頃の失敗談をお話します。

貴金属を用いて、デザインと制作をする関係上、

ダイヤモンドやその他各天然石もいじります。

それぞれの性質は様々です。

かなり柔らかいもの、ダイヤのように硬いもの、

洗浄機に用心深くかけないとすぐ色が抜けてしまったり、振動で割れてしまったり。

 

特にエメラルドはどの職人さんもお断りするくらい、扱いに注意が必要です。

私も自分のオリジナルを作る時以外は、お断りいたします。

もちろんお客様の持ち込みのエメラルドは、お断りします。

 

天然石は変えが効きません。

色も形も同じものはなかなか見つけられませんので、弁償することが不可能です。

 

ダイヤモンドが割れた!

そうなんです。

割れるんです。

ある工房へ一時的に修業に言っていた時、ダイヤ

モンドの石留めの作業があり、石留めをしていた

時、4本爪の1本の爪を留めていた時でした、

ダイヤが割れるということは、知っていたものの

あっという間の出来事にびっくりした記憶があります。

 

打ちどころが悪いと、いとも簡単に割れます。

タガネがもしかしたら、爪から滑ってダイヤを叩いたかもしれません。

怖いです。割ったら使い物になりませんから。ただのクズです。

 

ダイヤはこのように硬いというのも本当のことで

すが、この硬いという利点と、脆さも持ち合わせています。

気が抜けません。

一番硬いからという安心感は、この事で私の未熟さを自覚させられました。

 


 

ダイヤモンドの構造

このブログで専門的なお話は退屈かと思いますの

で、あえてしませんが、簡単に言えばダイヤモンドは、部分々々で硬い所、柔らかい所とあります。

 

そこで、世界で一番硬いと言われるダイヤを研磨するのにも、ダイヤモンドが使われます。

ダイヤの硬さは結晶の中の方向によって違ってきます。

それを理解した上で、慎重に石留めなどをしないと、簡単に割れてしまいます。

 

めったに無いことと思いますが、そんな脆い一面

もあるダイヤモンドですから、うっかり落とすということにもご注意下さい。

 

ジュエリー購入時の注意

以上のことから、石付きのジュエリーを購入する

場合、ダイヤモンドに限らず、共通して言える

ことは、中央の石留めとその廻りのメレダイヤ

(その他の小さい天然石)の彫り留め

など、留めの確認もなさると良いです。

 

特にファッション性にご興味が強い方など、石の

価値よりデザイン性を重視される方は、この石留

めにも関心を持って信用しきらないようご注意下さい。

 

・指で表面をなぞり、引っ掛かりが無いかどうか。

・または、ご自分の服の表面をなぞり、引っかからないか。

 

ジュエリーは購入後何年かしたら、爪が浮き易くなり変化も起こることがあります。

何十年も変わりなくしっかりした作りもあります

が、爪は浮いてくるものだということ認識しておいて下さい。

 

まとめ

・ダイヤモンドは世界で一番硬い鉱物。

・硬いダイヤモンドを磨くのもダイヤモンド。

・ダイヤモンドの粉末は、色々な工具にも使われている。

・ダイヤモンドは構造上、硬い部分、柔らかい

部分とあり、方向性によっては、衝撃を受けた時、簡単に割れることがある。

 

明日は、ダイヤモンドやその他のジュエリーのアフターケアーについてご案内いたします。